管球式OTLアンプのこと(その2)
OTLアンプとは、念のため書いておくとOutput Transformer Lessの略であり、出力トランスを省いたアンプのことだ。
真空管はトランジスターのように内部インピーダンスが低くないため、スピーカーの一般的なインピーダンス(16Ω、8Ωなど)に合わせるには、
インピーダンス整合のために出力トランスが不可欠な存在となる。
出力トランスに限らずトランスは、バンドパスフィルターでもある。そのためトランスの設計にはフィルター理論が重要ともいえる。
トランスにもメリット、デメリットがあって、トランスのデメリットを嫌う人も、オーディオの世界では多い。
管球式パワーアンプの出力トランスだけでなく、ラインレベルを扱うトランスすら、全て排除する(したい)と考えている人は、結構いる。
彼らは「トランスの音がする」という。
その気持は理解できるところもあるが、そういう彼らの中には、トランスが信号系に当たり前に使われていた時代の録音を絶賛したりもしている。
そういう録音からはトランスの音が聴き取れないのだろうか。
そんなツッコミをしたくなるのだが、管球式OTLアンプの動きは、フッターマン登場以前からあった、と聞いている。
実用化し製品化したのがフッターマンが最初であり、そのことでフッターマンがOTLアンプの、いわばオリジネーターと見做されている。
そのフッターマンのアンプは、OTLアンプではあるが、OCLアンプではない。
OCL(Output Condenser Less)ではないため、出力の最終段に直流カットのためのコンデンサーが介在する。
出力管に6LF6という共通点があるが、復刻フッターマンとカウンターポイントのSA4の違いが、ここにもある。
SA4は管球式OTLアンプとともにOCL回路でもある。