Mark Levinsonというブランドの特異性(その16)

ヴェンデッタリサーチを興したころのジョン・カールにインタビューした時の話を元に書いている。

その時は不思議に思わなかったけれど、彼は、この時、JC3の回路図のコピーを用意していた。
事前に、マークレビンソン時代のことを訊くことは伝えていなかったし、
マークレビンソンのことが話題になったのも話の流れから、であった。

なのに彼は、JC3の回路図のコピーを2枚渡してくれた。
1枚は手書きのもので、もう1枚はインターネットで公開されているもの。
ほとんど同じだが、一部定数が異る箇所があるくらい。

インタビューは、1987年ごろだった。マーク・レヴィンソンと決裂して10年は経っている。

いま思えば、ジョン・カールは、アンプの技術者としての誇りを、
まわりは、なぜ? そこまでこだわるのか、と思うほど、大切にしていたのだろう。
だからこそ、己が設計(デザイン)したアンプには、JCとつけるのであって、
それを無断で外されること以上の、彼に対する侮辱はないのかもしれない。

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