丁寧な使いこなし(その7)
丁寧な使いこなしの反対を、雑な使いこなしとすれば、
雑な使いこなしとは、どういうことなのだろうか。
使いこなしといわれることは、
つまりオーディオマニアが使いこなしと思ってやっていることは、
人によってそう大きくは違わなかったりする。
ケーブルをかえてみたり、スピーカーの置き場所をかえてみたり、
その他にもいくつもあるけれど、それらのことを言葉にしてみれば、同じといっていい。
それでも丁寧な使いこなしと雑な使いこなしはあるし、
本人は丁寧な使いこなしをしているつもりであっても、
他の人からみれば、なんと雑な使いこなしと見られていることだってある。
雑な使いこなしとは、無駄にしてしまう使いこなしだと考えている。
そんなこと無駄だよ、とか、無駄になってしまった、とか、
無駄ということを口にしてしまう。
けれど考えてみればわかることなのだが、無駄にしているのは、
そのことを口にした本人である。
このことは菅野先生からいわれたことであり、
歳を重ねるごとに、深く実感できることだ。
すべて結びつけていける人は、なにひとつ無駄にしない。
結びつけていけない人こそが、無駄と口にする。