終のスピーカーがやって来る(その6)
「2021年をふりかえって(その3)」で、こう書いている。
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2020年が、五味先生没後40年、
2021年の今年が、瀬川先生没後40年。
2020年には、タンノイのコーネッタを、ヤフオク!で手に入れた。
ステレオサウンドがキット販売したのを、誰かが組み立てたモノではなく、
別項で書いているように、はっきりと専門とする職人の手によるコーネッタである。
今年になって、そのことがわかり、いい買物をしたな、と実感している。
2021年には、SAEのMark 2500を手にいれた。
これもヤフオク!であり、ヤフオク!の相場よりも半分以下で落札できた。
こちらも程度はいい。
五味先生の没後40年の2020年にタンノイ、
瀬川先生の没後40年の2021年にMark 2500である。
不思議な縁が二年続いた。
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ほぼ一年前に、これを書きながら、さすがに来年(つまり今年、2022年)は、
こんなことはもう起らないだろう……、と思っていた。
今年、2022年はグレン・グールド没後40年である。
だからといって、グールドになにがしか関係のあるオーディオ機器が、私のところにやって来る、
そんなことは起りようがない。
だいたいにして、グールドに関係のある(深い)オーディオ機器って、
いったいなんだろう──、そういう状況なのだから、
不思議な縁といえるオーディオ機器がやって来ることはない、そう思っていた。
今年、別項で書いているようにGASのTHAEDRAがやって来た。
これも不思議な縁からやって来たモノといえる。
それでもグールド没後40年とはまったく関係ない。
THAEDRAがやって来たことは、嬉しかった。
ジェームズ・ボンジョルノ設計(基本設計)のアンプのペアが実現したからだ。
夏にはこれも別項で書いているように、
ラックスキットKMQ60と自作の真空管アンプがやって来た。
今年も、もうこれで充分じゃないか、
グールド没後40年ということとはどれも関係なかったけれど。
10月26日、夕方に、一通のメールが届いた。
そのメールの内容は、ほんとうに夢のようなことだった。
そして一週間後の11月20日に、私にとっての終のスピーカーがやって来る。
グレン・グールドを、このスピーカーで聴けるだけでなく、
自分の手で鳴らし、グールドを聴くことができる。
グールド没後40年の2022年に、
ジャーマン・フィジックスのTroubadour 40がやって来る。
エラックのリボン型トゥイーターとともに、やって来る。