Date: 6月 19th, 2022
Cate: ハイエンドオーディオ
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ハイエンドオーディオ考(その5)

一流レストランや料亭での食事ばかりを毎日している人だって、
世の中にはいるかもしれない。

夕食だけでなく、朝食も昼食も、豪華な食事を毎日している人は、
私が知らないだけでいないとはいいきれない。

そういう食生活が日常であれば、私が思い描く家庭料理とはまったく別世界のことなのだろう。
音もそうなのだろうか、と考える。

一流レストランや料亭で出される豪華な料理のような音で、毎日音楽を聴く。
もちろん、それはいい音である。
けれど、それは愉しいだろうが、毎日続けられること、
つまり日常となっていくことなのだろうか。

オーディオの場合は、鳴らす音楽によって、
そういう音であっても毎日聴けるものなのかもしれない。

毎日、ベートーヴェンの後期の作品ばかりを聴くわけではないし、
軽めの音楽を聴くことだってあるのだから、
家庭料理とは無縁と思える音であっても、いいのかもしれない。

それでも思うのは、卵かけご飯のような存在の音もあっていいのではないか。

ステレオサウンドは十年ほど前の特集で「いい音を身近に」をやっている。
この企画は、
十年前よりもずっとハイエンドオーディオ機器の高額化が進んでいるいま、
もう一度練り直してやれば、面白い特集になるように思っている。

「いい音を身近に」か「身近ないい音」か。

いまでは億を超えるオーディオ機器が登場してきている。
そういうオーディオ機器を持てる人であっても、
卵かけご飯のようなシステムで日常的には音楽を聴く、ということを、
求めたりしないのだろうか。

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