WEST SIDE STORY(その2)
ミュージカルが好きな人にとっては、
「ウエスト・サイド・ストーリー」は昂奮の一本なのかもしれないが、
ミュージカルが余り好きじゃない私には、夢中になって観ていたとはいえなかった。
冒頭から、いきなりミュージカル全開といった感じで、
そのせいで入り込めないものを感じていたわけで、
そんな私だから「ウエスト・サイド・ストーリー」の映画の出来について、
なにか書こうとは思っていない。
ただ観ていて感じたのは、「ウエスト・サイド・ストーリー」はやはりアメリカの映画だし、
アメリカでなければ撮れない映画だと感じていた。
そうだからこ予告編をみて、大きなスクリーンで観たい、と思ったのだろう──、
と一人で納得していた。
「ウエスト・サイド・ストーリー」で何がいちばん印象に残っているのかといえば、
「Gringo(グリンゴ)」が、セリフの中に何度か出てきたことである。
手塚治虫好きの私は、手塚作品の「グリンゴ」で、その言葉を知った。
「グリンゴ」とは、よそものという意味のスペイン語とのこと。
いわゆる蔑称である。
私の記憶にないだけで、「ウエスト・サイド物語」のセリフにも登場していたのだろう。
そのころ小学生の私には、そんなことはまったく憶えていない。
だからといって「ウエスト・サイド物語」をいま一度観ようとは思っていない。
小学生のころ観た「ウエスト・サイド物語」は、けっこう大きなスクリーンだった。
田舎の映画館だから、意外にも大きいものである。
設備はもう古びていたように記憶している。
ほぼ五十年前のことだ。記憶も古ぼけている。
「ウエスト・サイド物語」と「ウエスト・サイド・ストーリー」を比較しようとも思っていない。
このことに関しては、いろんな人が語るはずだ。