B&W 800シリーズとオーディオ評論家(その15)
パソコンが欲しい、といいながらも、
「来年になるともっと性能のいいのが出てくるんでしょ。それまで待とうかしら」といい、
結局買わない人がいることを、(その14)で書いている。
パソコンが欲しい、とはいっていたけれど、
買ってみようかしら、ぐらいの欲しいであって、
おそらく「パソコンが必要!」とまではいっていなかったのだろう。
そんなふうに思っていると、
ステレオサウンドに書いているオーディオ評論家の人たちが、
誰一人としてB&Wの800シリーズを購入しないのは、
必要! と感じていないからなのかもしれない。
家庭で音楽を聴いていく人生において、必要と感じていなければ、
いくら優秀なスピーカーと認めても、決して安価なモノではないだけに、
購入しようとまでは思わなくても不思議ではない。
ここでの必要と感じていないは、ここ数ヵ月、
私がくり返し述べている「心に近い」ということに深く関係しているのかもしれない。
ステレオサウンドに書いているオーディオ評論家で、
「心に近い」ことについて書いている人は誰もいないけれど、
心のどこかで、心に近い(遠い)を感じとっていることだって考えられる。
ほぼ無意識に、B&Wの800シリーズは、心に近くない(遠い)と感じている──、
そんなふうに考えられるのだが、
ほんとうのところは私にはわからない。
いっそのことステレオサウンドの春号(222号)の特集は、
「私はなぜB&W 800シリーズを買わないのか」というテーマでやってほしい。
221号のベストバイで星三つを入れている人たちに、
その理由をきっちりと書いてもらう。
できれば、その原稿を読んだ上で、編集長が個別にインタヴューしていく。
つまりツッコミをいれながら問うていく。
絶対にやらない企画だろうが、なぜ誰も買わないのか、という読者の疑問に、
そろそろきちんと答えてもいい時なのではないだろうか。
それとも誰か購入を決心しているのだろうか。