マーラーの第九(Heart of Darkness・その14)
20代のころが、いろんな指揮者でマーラーをいちばん聴いていた。
バーンスタインのドイツ・グラモフォンで新録音を聴いてからは、
手あたり次第聴くということはしなくなっていた。
いまは、というと、TIDALがあるので、けっこう手あたり次第、
いろんな指揮者のマーラーを聴いている。
そうやって聴いていて、
《マーラーの〝闇〟は、闇を怖れていたのは誰よりもマーラー自身なのである。怕さを知らぬ者にマーラーの音楽などわかるものか》、
五味先生の、この文章を思い出していた。
「マーラーの〝闇〟とフォーレ的夜」に出てくる。
《怕さを知らぬ者》になってしまう、ということを怖れなければならない。