TIDALという書店(その8)
タワーレコードの新宿店が、いま改装している。
10月8日にリニューアルオープンの予定なのだが、規模は縮小される。
これまでは四フロアーが売場だったのが、二フロアーだけになってしまう。
新宿店開店当初のころからすれば、
ジャズ売場、クラシック売場ともにすでに縮小されている。
十年ほど前は、毎月25日ぐらいに行けば、
CDを山のように買い物カゴに入れている人が、必ず数人いた。
縮小される前から、そういう人が減っていった。
私自身、タワーレコードの店舗で買うことが減った。
店舗に行く回数もそうとうに減っている。
以前は、買う買わないに関係なく、なにかおもしろそうな新譜が入荷していないか。
それを確かめに行くだけでも楽しかったし、そのためだけに足を運んでいた。
けれど店舗で買うよりも、オンラインで買う方が多くなったのは、
ほとんどの人がそうだろう、と思う。
スマートフォンの普及とともに、新譜さがしはスマートフォンのほうが楽であるし、
移行してしまった、といえる。
そこに加えてe-onkyoで買うようになったし、TIDALも始めた。
こうなると、CDを買うのは、e-onkyo、TIDALにないものとなってしまった。
そういえば今年は新宿のタワーレコードには一度も行っていないことに気づいた。
渋谷店へは一回行っている。その程度になってしまった。
行くと閑散としている。
回数が減ったからといって、新しい音楽を聴いていないわけではなく、
TIDALで、むしろいままで以上に聴くようになった。
私同様、店舗に行くことが減った人でも、
CDを買う枚数に変化はない、もしくは増えている、という人はいるはずだ。
店舗で買わなくなった──。
店舗で買わなくなった、といえば、
ステレオサウンドの最新号、書店でみかけない。
売り切れてしまったのか、それとも……。
書店で見かけなくなったからといって、読んでいる人が減った、とはいえない。
私のように、Kindle Unlimitedで読んでいる人もいよう。
私だって、Kindle Unlimitedでまた読むようになったのだから、
ステレオサウンドを読む人は増えているのかもしれない。
そんな私だから、新宿店の規模縮小のニュースを聞いても、
そうかぁ──ぐらいでしかない。
いままでよくがんばってくれていた、と思う気持のほうが強い。