Western Electric 300-B(その29)
ようやくエレクトリが、ウェスターン・エレクトリックによる300Bの取り扱いを発表した。
11月1日から発売になる、とのこと。
再生産のニュースがあったのは、2019年2月である。
今年の5月に、ようやく夏に発売になる、とも書いた。
夏はとっくに終っている。
ここまでの300Bの再生産の遅れは、
製造という技術において、一度途絶えてしまうと、
製造設備が残っていても、復活はそうとうに難しいということの証明のように思えてくる。
いまはあまり耳にしなくなったけれど、
いまの日本の技術で真空管を作ったら、すごい性能のモノが出来上る──、
そんなことを一時期、何度か目にしたり耳にしたり、ということがあった。
そう言ったり書いたりしていた人たちは、本気だったのだろうが、
ほんとうにそうなのか。
実際に日本が、そのころ真空管を再び製造しようとしていたわけではない。
だから、ほんとうに真空管を復活させようとしたら、すごい性能のモノが作れたのかどうかは、
誰にもなんともいえない。
このことを言っていた人たちは、おそらく中国での真空管製造に何かいいたかったのかもしれない。
いまや真空管の製造大国は中国である。
量だけでなく、質の面でも大国になりつつあるのかもしれない。
そうなってきているのは、継続しているから、であろう。
日本で製造している300Bがあることは知っている。
聴いたことはないので、それについては触れないが、
いま日本で製造されている真空管は、この300B以外にあるだろうか。
とにかくウェスターン・エレクトリックの300Bがようやく市場に出廻る。