Date: 10月 27th, 2021
Cate: ケーブル
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ケーブル考(その10)

マークレビンソンのML12とML11のペアは、
はっきりとローコスト化を謳っていたし、そのための電源共通化でもあった。

その印象がなんとなくではあっても、
パワーアンプからコントロールアンプへ電源を供給する方式を採用している製品は、
どこか妥協しているような感じを受けなくもない。

特に、それまでのマークレビンソンの製品ラインナップからすれば、
ML12とML11は商業主義に堕落した──、そう受けとられても仕方なかった。

それでも、いまここで書いている視点からML12とML11を眺めてみれば、
一転して興味深い存在となる。

欲しい、とはおもわないにしても、
もし聴ける機会があるのなら、ケーブルに関する実験をあれこれやってみたい。

これでケーブル交換にともなう音の変化量が、仮に小さくなったとしよう。
どうなるのかは、やってみないことにはわからないにしても、そうなったとしよう。

その結果をどう受け止めるか。
ML12とML11は、マークレビンソンの製品としては安価なのだから、
性能もそこそこであろう、だからケーブルの音の違いが出にくい──、
そういう捉え方もできる。

コントロールアンプの電源をパワーアンプから供給する製品は、国産にもあった。
ラックスキットのコントロールアンプA3300である。
1976年当時、45,800円だった。

A3300の電源は、同じくラックスキットのパワーアンプ、A2500かA3500から供給できる。
A3300を含めていずれも管球式で、
A2500は6RA8のプッシュプルアンプで出力は10W+10W、価格は42,100円、
A3500はEL34のプッシュプルで出力は40W+40W(UL接続)で、価格は64,500だった。

A3300がマークレビンソンのML12と違う点は、外部電源A33が別売で用意されていたことだ。
つまりA2500もしくはA3500から電源を供給した状態でのケーブルの比較、
A33を使って電源を独立させた状態でのケーブルの比較、この実験が行なえる。

この二つの比較試聴で、どういう結果が得られるのか。

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