挑発するディスク(その3)
カザルスのベートーヴェンのディスクを聴いた数ヶ月後に、
EMTの930st(正確にはトーレンスの101 Limited)を購入した。衝動買いである。
ただすぐに持って帰れずに、撮影するためにステレオサウンドの試聴室に置いていた。
ちょうどそのころ、ある人が、ノイマンのカートリッジ、DSTとDST62を貸してくれた。
101 Limitedにとりつけて、内蔵のイコライザーアンプ155stをそのまま使い、
最初にかけたレコードは、当然、カザルスのベートーヴェンの第七番である。
凄い音とは、まさにこのことだと思った。