ステレオのすべて
音楽之友社が年一冊出していた「ステレオのすべて」。
いつごろなくなったのだろうか、記憶にないほど、
「ステレオのすべて」への関心がそうとうに薄れてしまった。
私が「ステレオのすべて」を知ったのは、1976年12月だった。
ステレオサウンド別冊の「コンポーネントステレオの世界 ’77」とどちらを買おうか、
数日、そうとうに悩んだ。結果「コンポーネントステレオの世界」を選んだのだが、
「ステレオのすべて ’77」もずっと気になっていて、
あのころ中学生だった私は、何度も立ち読みした。
第一印象はよかった。
けれど、どんどんダメになっていったように感じた。
同じことは月刊誌のステレオにも感じ始めていた。
ステレオがダメになっていったから、「ステレオのすべて」もそうなっていったのだろう。
そのステレオも、書店でみかけても手にとることをしなくなってずいぶん経つ。
それでもここ二、三年、変ってきた、と感じている。
ほとんど関心を失っていたから、いつごろから変ってきたのかは正確にはいえないが、
少なくとも興味を惹く特集があるようになってきた。
月刊誌だからしかたないのはわかっていても、
あと少し読み応えのある特集になれば……、とも思うようになってきた。
もうちょっとで夢中になって読めそうなのに……、そんなふうに感じる号が毎号ではないものの、
年に何度かはある。
そう感じるようになってきたから、
「ステレオのすべて」を復活しないのか、と思うようになってきた。