オーディオにおける「かっこいい」とは(その1)
別項でのコメントで、
スイングジャーナルでずっと以前に載った瀬川先生のリスニングルームが、
カッコイイと思った──、とあった。
この写真はステレオサウンド 62号にも載っている。
和室にJBLの3ウェイのシステム。
広い部屋ではない。
いまどきのおしゃれな部屋でもない。
昭和の時代の、決して高級ではない和室である。
自作のスピーカーエンクロージュアの上には、AXIOM 80のダンボール箱がある。
いまどきのおしゃれなオーディオをめざしている人は、
こんなことは絶対にしないであろう。
ダンボール箱のまま、押入れかどこかにしまっておくだろう。
数年前、岩崎先生のリスニングルームの写真をみて、
憧れる、という人もいた。
ステレオサウンド 38号に載っている写真である。
JBLのパラゴンがあって、アルテックの620Aが、その両端にあって、
パラゴンの中央にはマイクロのアナログプレーヤー。
それだけでなく、岩崎先生のリスニングルームには、アンプやチューナーなどのオーディオ機器が、
おしゃれなラックにおさめられることなく積み上げられている。
雑然とした部屋ともいう。
それに憧れる、といった人は、私よりも若い。
憧れるには、かっこいいが含まれていた、と勝手に受け止めている。
私の、この二人の部屋には憧れるところがある。
一方で、いまどきのオーディオ評論家のリスニングルームの写真を見ても、
憧れることは、ない。