オーディオの「本」(読まれるからこそ「本」・その5)
紙の本から電子書籍へ、ということは、
触感の変化でもある。
アナログからデジタルへの変化ともいえる。
いまや紙の本であっても、制作過程はデジタルといっていい。
筆者も手書きの人は少なくなっていることだろう。
原稿もデジタルで、編集作業もデジタルで。
そうやってつくられても、読み手が手にするの紙の本の触感は、
そんなことは関係しない。
それはオーディオでも同じところがあって、
LPのマスターがデジタル録音だろうと、アナログ録音だろうと、
LPをさわったときの感じはかわらない。
CDも同じだ。
元がアナログ録音だろうとデジタル録音だろうと、
触って、そのことがわかるわけではない。
紙の本と電子書籍とでは、さまざまな違いがある。
そのなかで、大きく違うのは、触感(感触)の違いだ、と思う。
だからこそ、感染症の蔓延が、そこをのりこえるきっかけになるのではないだろうか。