オーディオと「ネットワーク」(SNS = SESか・その10)
別項「オーディオにおけるジャーナリズム(続×五・編集者の存在とは)」で書いたこと、
「同じ部屋の空気を吸うのもイヤ!! そういう相手と一緒につくっていかないと面白い本はつくれない」、
当時、ステレオサウンドの編集顧問だったKさんのことばだ。
三十数年前にきいた。
そのころは、そういうものだろうか……、ぐらいに受け止めていた。
けれどステレオサウンドを離れて、たしかに本をつくっていくということ、
それも趣味の本をつくっていくということは、そうだ、と実感している。
そんな考え、古すぎる、といわれれば、
「そうかもしれない」といちおうは返事をするだろう。
でも、本音は、このことばをきいたとき以上に、そう思っている。
仲良しクラブ的にやっていきたい人たちにとっては、
頭のおかしい人たちがおかしいこと、悪い冗談を言っている──、
そんなふうにしか受けとらないであろう。
同じ部屋の空気を吸うのもイヤ!!──、そういう人とどうやって仕事をしていくというのか。
その段階で戸惑ってしまうのか。
いまのステレオサウンド編集部が、そうなのか、違うのか。
まったく知らないけれど、誌面から伝わってくる空気からは、
Kさんのことばとは違っていることだろう。
編集部だけでなく、ステレオサウンドに書いている人たちも、そうなのではないのか。
みな仲良しクラブ的にやっているようにみえる。
でも、仲良しクラブ的に、ということは、表面的には、ということであるように感じもしている。