Date: 2月 8th, 2020
Cate: 五味康祐, 瀬川冬樹
Tags:

カラヤンと4343と日本人(その5)

五味先生、瀬川先生、
ふたりとも結局同じことをいわれている。

五味先生はHBLの4343とタンノイのコーネッタ、
瀬川先生は4343とロジャースのLS3/5Aにおいて、である。

五味先生はJBLに《糞くらえ》と、
瀬川先生は《蹴飛ばしたくなるほどの気持》と。

あのころのJBLのスタジオモニターの最新モデルの4343の実力を認めながらも、
クラシックにおける響きの美しさが、鳴ってこないことを嘆かれている。

コーネッタにしてもLS3/5Aにしても、
4343からすれば、価格的にかなり安価なスピーカーだし、大きさも小さい。

4343を本格的なスピーカーシステムとして捉えれば、
コーネッタもLS3/5Aも、そこには及ばない。
だからこそ、《あの力に満ちた音が鳴らせないのか》と、瀬川先生は書かれているわけだ。

《クラシック音楽の聴き方》は、五味先生、瀬川先生はもう同じといっていいはずだ。
けれど、そこから先が違っている、というのだろうか。

正直、こうやって書いていても、よくわからないところもある。
五味先生と瀬川先生が、
「カラヤンと4343と日本人」というテーマで対談をしてくれていたら──、
そうおもうこともある。

けれど、そういう対談は、どこにもない。
ない以上、考えていくしかない。

カラヤンと4343。
指揮者とスピーカーシステム。
けれど、どちらもスターであったことは否定しようがない。

アンチ・カラヤンであっても、
アンチJBLであっても、
カラヤンはクラシック界のスターであったし、
4343も、少なくとも日本においてはスター的存在であった。

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