Date: 1月 31st, 2020
Cate: 菅野沖彦
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菅野沖彦氏のこと(味も人なり、か・その2)

私は、同世代の友人と二人で、その吉祥寺の中華屋に行った。
夜からしかやっていない店だった。

二人ともお酒は飲まないから、チャーハンだけを注文した。
(その1)で書いているように、味は最高だった。

店のオヤジは、痩せていて無愛想だった。
でも、そんなことは気になるほどのことではなく、
二人で、チャーハンの美味しさに驚いていた。

店を出てからも、美味しかったな、と話すぐらいだった。

菅野先生が「ひどいめにあったよ、なんだ、あの店(店主)は」といわれたのをきいて、
まず思ったのは、店が汚いからなのか、だった。

(その1)で書いているが、確かに汚い。
カウンターで食べていたけれど、小さなゴキブリが一匹這っていた。

でも、汚い店だということは事前に伝えてあった。
菅野先生は奥さまとお嬢さまと三人で行かれた。

菅野先生もお酒は飲まれない。
家族三人で行って、チャーハンが目的とはいえ、
チャーハンだけというのは失礼だ、と思い、ほかの料理も注文されたそうだ。

にもかかわらずオヤジの機嫌を損ねてしまった、ときいた。
おそらく、われわれがお酒をのまなかったからだろう、と菅野先生はいわれた。

汚い店である。
場末の中華屋という感じの店である。

けれど店主は、きちんとした中華料理店という意識なのだろう、
そこに家族三人で行って、お酒を頼まずに料理だけ、というのが、
機嫌をそこねた理由なのだろう、とのことだった。

それでも料理に手を抜かれたわけではなく、
チャーハンは絶品だった、といわれた。
また食べたいけれど、もう二度と行きたくない、とも。

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