オーディオと「ネットワーク」(SNS = SESか・その8)
1970年代終りから1980年代なかばにかけてのステレオサウンドは、
全国のオーディオクラブのいくつかを訪問して記事にしている。
そこに登場している集まりは、確かにオーディオクラブだな、と思う。
そう思うのはなぜだろうか、
そしてSNSにあるいくつかのオーディオ関係のグループを、そう思わないのはなぜだろうか。
はっきりとした答を見出したわけではないが、
一つは偏愛ではないだろうか。
オーディオクラブには、偏愛がある。
その偏愛が強いほど、そのオーディオクラブの色は、
記事で読んでもはっきりと伝わってくる。
SNS(facebook)にあるオーディオ関係のグループで、
参加人数が多いところほど、偏愛からは遠いところにある、といえる。
SNSの普及は、
別項の「複雑な幼稚性」が生む「物分りのいい人」を増やしてきているのではないのだろうか。
「複雑な幼稚性」が生む「物分りのいい人」たちには、
純粋な偏愛はないような気さえする。
偏愛をもっているのかもしれないが、物分りのいい人ぶることを優先するあまり、
認めようとしないのではないのか。
そんなふうに考えみると、
昔のオーディオクラブは、やはり偏愛の人たちの集まりであり、
偏愛の純度を高めたいがために集まっていたのかもしれない。