2,500,000円と125,000円(その6)
メリディアンの218は125,000円(税抜き)のD/Aコンバーターである。
ULTRA DACは、大きいと前もって聞いていても実機を前にすると、
おもわず「大きい」と声に出してしまった。
218は、というと、外形寸法/重量、どちらもあらかじめ知っていたけれど、
こちらは「小さい」し、「軽い」。
価格も造りも、メリディアンの二つのD/Aコンバーターは対照的でありながらも、
音は、というと、そういうわけではない。
218とULTRA DACを直接比較試聴したわけではないが、
違いは、それでもはっきりとわかる。
わかるからこそ──、というおもいが、こちらには芽ばえてきた。
218は、可能性のあるオーディオ機器だ、と感じたからである。
218の可能性を発揮させるには、どうするか。
人によって、手法は違うだろう。
電源コードに凝る人もいるだろう。
125,000円の218に、同じくらいの電源コード、
もしくはそれ以上の価格の電源コードをあてがう。
ラインケーブルに凝る人ならば、
やはり218と同じくらいのケーブル、それ以上のケーブルをおごる。
置き台となるラックに凝る人がいても不思議ではない。
ここでも218よりも、高価なラックを用意することだろう。
これらすべてをやったうえで、クリーン電源まで手を伸ばす人もいよう。
これらすべてをやれば、218の十倍くらいの費用はかかることだろう。
凝れば凝るほど、もっとかかることもある。
オーディオマニア的には、こういうことに興味はある。
私も一度くらいは試してみたい、という気持を持っている。
それでも、それらによる218の音の変化を聴いて、
218の可能性を抽き出した、と私自身は思うだろうか……、と考える。