音の器(その3)
音の器として捉えた場合に絶対に不可欠な存在がある。
いうまでもなくレコード(録音物)である。
レコードがあってこそ、蓄音器は完結する。
デコラは特にそうだ、といえる。
蓄音器は蓄音「器」たり得る。
先日、デコラをじっくり聴かせてくれた方は、
デコラを手に入れて十数年、クラシックのレコード以外はかけなかった、とのこと。
言葉に出してこそいわれなかったけれど、
デコラを蓄音機ではなく蓄音器として鳴らされているからだろう。
音の器としてのデコラは、だからかけるレコードを選ぶ。
デコラをレコードを選ぶことを、どう捉えるのか。
それは、その人の自由というか、勝手である。
そこまで口出しする気は、もうなくなった。