平成をふり返って(その6)
とにかく平成という時代に、インターネットがおそろしいスピードで普及した。
さらにスマートフォンが登場し、
四十年前にウォークマンが登場し、音楽を外へと持ち出せるようになったのと同じに、
インターネットも家でパソコンの前に座って、という接し方から、
手のひらにおさまる一枚のプレート状のモノで、ほぼどこでもいつでも、
しかも高速で接続できるようになった。
このことと関連しているのかどうか、まだなんともいえないが、
東京でもかなり大きな病院の病棟をたずねた。
そこで驚いたのは、皆、ベッドとベッドのあいだのカーテンを、
昼間でも閉めきっていることだった。
私が入院したのも、平成だった。
平成になって二年目だった。
六床部屋だった。
もちろんベッドとベッドのあいだにはナイロン製と思われるカーテンがあった。
けれど、カーテンを閉めるのは、夜だけだった。
私だけでなく、同室の他の人たちもそうだった。
私が入院していた部屋だけではなく、ほかの部屋のそうだった。
だから部屋は昼間は、とうぜんながら明るい。
なのに今回行った病院の入院病棟の部屋は、昼間でも暗い。
六床部屋で皆がカーテンを閉めているのだから、暗くなる。
この病院だけなのだろうか、
それとも、いまでは他の病院でもそうなのか。