カセットテープとラジカセ、その音と聴き方(菅野沖彦氏のこと)
ステレオサウンドでの試聴のあいまに、菅野先生が話されたことを思い出している。
それがいつなのか正確には話されなかったが、
音というものがよくわからなくなった時期が、菅野先生にもあった、とのこと。
その時、菅野先生はラジカセを買いに行かれたそうである。
さすがにオーディオ店、電器店だと、
オーディオ評論家がラジカセを買いに来た──、
そんなウワサが流れることもあろうから、わざわざデパートで購入された、とのこと。
ラジカセで音楽を聴かれたはずだ。
どんなふうに聴かれたのか、
そこで何を感じられたのか、何を学ばれたのか、
いまになって強く知りたい。
あの時、きちんときいておけばよかった、と後悔している。