Date: 6月 22nd, 2019
Cate: デザイン
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オーディオのデザイン、オーディオとデザイン(KEF Model 303・その3)

S9500は1989年に登場している。
303の十年後である。

S9500は、一本2,200,000円だった。
303の三十倍以上である。

エンクロージュアを構成する素材も、
S9500と303とでは、そうとうに違う。

S9500は、そのころのJBLのフラッグシップモデルだった。
303は、当時、日本に輸入されていたKEFのモデルとしては、もっとも安価な製品だった。

製品コンセプトからして、まったく違う。
十数年前に見たS9500は、なんとも古びた感じがしていた。

それはデザインが古くなってしまった、ということではなく、
ホーンに採用されたアクリル、
ベースのコンクリート、
どちらもくすんでしまっていたからだった。

所有者がこまめに手入れをしていなかったのだろう。
ウーファーは、特にくたびれた感じはしなかったけれど、
ホーンとベースは、無機的な材質ということもあってか、
手入れを怠るとこんなふうになってしまうのか、と少々驚いたことがあった。

303には、そういうところ(材質)は存在しない。

303の外観は、くり返すが、素っ気ない。
素っ気ないからといって、デザインされていないわけではない。

むしろ、よくデザインされている、と今回、自分のモノとして眺めてそう思った。

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