オーディオ評論家の「役割」、そして「役目」(その23)
この項の(その9)で引用した長島先生の文章をもういちど載せよう。
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オーディオ評論という仕事は、彼が始めたといっても過言ではない。
彼は、それまでおこなわれていた単なる装置の解説や単なる印象記から離れ、
オーディオを、「音楽」を再生する手段として捉え、
文化として捉えることによってオーディオ評論を成立させていったのである。
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このことが、この項の最初にほうに書いた「オーディオの知識」の「有機的な体系化」が、
瀬川先生のなかでなされていたことをあらわしている、と私は受けとめている。