ベートーヴェンの「第九」(その3)
フルトヴェングラーの「第九」といえば、1年前のちょうどいまごろ、
キングレコードからフィギュアつきで発売されたのが、
ベルリン・フィルを指揮した1942年のライヴ録音である。価格は2万8千円ほどだった。
レーザー光線でアナログディスクの溝を読み取るエルプのプレーヤーによる復刻CDなので、
多少高く見積もってCD一枚の値段は3千円くらいだろう。
ということはフィギュアの値段は2万5千円ほどとなるわけだ。
高さ30cmの、比較的大きなフィギュアとはいえ、2万超えのモノは市場にはあまりない。
それだけの値段だけあって、実物を見ると、丁寧なつくりだ。
けれど、このフィギュアの造型師は、
フィギュア(figure)と人形(doll)の違いを明確に把握していないような気がしてならない。
フィギュアも人形もミニチュアライズの趣味のもので、ミニカーも同じ世界である。
フィギュア、人形、ミニカーをグループ分けすると、人形とミニカーは同じといえ、
フィギュアだけ異る性格をもつ。