素朴な音、素朴な組合せ(その3)
素朴な音を考えるにあたって、たとえば原音(必ずしも生音ではない)を、
基準という意味も含めて、数字の1と表現したとしよう。
再生音は、その例に倣って表現すれば、0.627とか0.8519とか、
そんなふうに表してもいいのではないだろうか。
限りなく原音に近づくということは、0.9999999999…と限りなく9が続いていくことだろう。
1と0.9999999999…、1に近づいているとはいえ、
ぱっと見た感じの印象は、ずいぶん違う数字のようにも感じられる。
1と0.1、0.99999999999999…と較べると1との差はかなり大きくなっている。
0.5や0.7と比較しても1との差は大きいけれど、それこそ見た目の印象は、
1に、この中ではいちばん近いとも言えよう。
素朴な音とは、0.1のような音なのか。