Date: 3月 15th, 2019
Cate: ディスク/ブック
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THE DREAMING(その4)

だからといって10cmのフルレンジに戻すのは、
オーディオマニアとして癪である。

それに“THE DREAMING”においても、
スタティックの印象が残っている点を除けば、SL600で聴く方をとる。

それでもSL600をThe Goldで鳴らしたときの音を想像しながら、
“THE DREAMING”を10cmフルレンジで聴いていた。
そこで期待は、どうしても膨らんでいく。

膨らんでいったからこその少々の期待外れなのかも……、と思い込もうとした。
それでも10cmフルレンジの音は、強く耳に残っていた。

もう一度10cmフルレンジにして、徹底的に比較試聴することはしなかった。
あくまでもSL600のままで、10cmフルレンジで感じた良さも鳴らしていきたい。

そこから先は、けっこういろんなことをやった。
ずいぶんと音は変っていった。
けれど、スタティックな印象は,どこかに残っている。

これはもう録音に起因するものだ──、
そう思い込めればシアワセなのだが、10cmフルレンジの音をすでに聴いている。

2019年3月6日、
audio wednesdayではじめてケイト・ブッシュをかけた。
まったく鳴らしてこなかったわけではない。
ピーター・ガブリエルの”Don’t Give Up”は鳴らしている。

”Don’t Give Up”でケイト・ブッシュの歌声は聴いていた。
それ以上、ケイト・ブッシュをかけようとは、まだ思わなかった。

ここにきて、ようやく鳴らしてみようか、という気がおきてきていた。
2018年にはリマスター盤が登場した。

期待は半分という気持で、喫茶茶会記のアルテックで“THE DREAMING”を鳴らした。
そこで鳴っていた音を聴いて、
以前どうしても払拭できなかったスタティックな印象(スタティックなアクセント)が、
もうそこにはまったくといっていいほど感じなかった。

そういえば10cmのフルレンジもアルテックだった。

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