日本のオーディオ、これから(韓国、中国は……・その4)
ここまで書いてきて、そうだ、と思い出したことがある。
なので、ちょっと脱線してしまう。
もう十年くらい前になるか、
Red Rose Musicのアンプのことが、ちょっと話題になっていた。
Red Rose Musicは、マーク・レヴィンソンが、マークレビンソン、チェロに続いて興した会社。
最初はオーディオプリズムの真空管アンプをベースに、
マーク・レヴィンソンがチューニングを施した製品だった。
その後、トランジスターアンプが、それからスピーカーシステムが登場した。
これらは、中国のメーカーによるモノだった。
アンプはDussun、スピーカーシステムはAurum Cantus製で、
しかも中国では、それぞれのブランドで安価に売られていた。
写真を見る限り、外観はRed Rose Musicブランドであっても、
Dussunブランド、Aurum Cantusブランドと同じである。
中は違っている、といわれていた。
マーク・レヴィンソンがチューニング(モデファイ)している、ということだった。
けれど、それもアヤシイといわていた。
どちらも内部を見たことはない。
そのウワサが事実なのかどうかはなんともいえないが、
少なくともマーク・レヴィンソンにとって、
Red Rose Musicの製品として売るだけの良さがあったのだろう。
もっといえば、どこか琴線にひっかかってくるものがあったのだろうか。
琴線と書こうとして、(きんせん)と入力したら金銭と出てしまい、
それもまたマーク・レヴィンソンらしい理由かも──、と思ってしまう。
金銭か琴線なのかは措くとして、
少なくともRed Rose Musicブランドとして恥ずかしくないクォリティを持っていると、
マーク・レヴィンソンは判断したはずだ。
それから十年ほどが経っている。