「音による自画像」(その6)
「左ききのエレン」というマンガがある。
「左利きのエレン」のリメイク版だそうだ。
元の「左利きのエレン」は読んでいないし、知らなかった。
インターネットで土曜日に一話ずつ公開される。
土曜日になった瞬間(つまり午前0時)に更新され公開される。
20ページ程度のマンガなのだが、楽しみである。
43話が公開されている。
ここにも自画像ということばが登場する。
主人公の山岸エレンは、圧倒的な才能をもつ絵描きである。
そのエレンが、43話以前の数話で、岸あかりというモデルと出逢う。
43話の一ページ目には、
似ているモノが
2つ並べば
似ている所より
違う所が
目につくものだ
というモノローグがある。
オーディオでも、同じだな、と思いながら、読んでいた。
43話の終り、山岸エレンが岸あかりにいう。
私と
お前は
似ている……
でも
まるで違う
その違いを知りたい
ずっと避けていたけど……
お前を通じてなら
ちゃんと
描ける気が
したんだ
自画像
「左ききのエレン」の43話の山岸エレンのセリフは、
私にとって「音による自画像」についての答だと思った。
そうか、そういうことだったか、と思うと同時に、
これもまた、次の瞬間に問いへとなっている。