「複雑な幼稚性」が生む「物分りのいい人」(その57)
書店に、ステレオサウンド 208号が置かれている。
買おうかな、と思ったけれど、買わなかった。
avcat氏に謝罪したことについては、何も載っていなかった。
そうだろうな、と思っていたから、意外でもない。
208号は9月4日発売だった。
買わなくなってしまった雑誌の発売日は、なんとなくでしかなく、
その日も、帰りの電車の中でfacebookを眺めていて、今日、発売日なんだ、と気づいた。
駅を出たら、途中にある書店に寄って……、と思っていたら、
乗っていた電車は台風の影響による強風のせいで、
通常なら30分程度の乗車ですむのに、二時間ほどかかってしまい、
書店も早じまいしていた。
今回の台風の怖ろしさは、直撃しなかった東京にいても感じた。
熊本に住んでいたから、夏は台風の季節でもあった。
それでも、ここまでの台風は、記憶にない。
約二時間の電車の中でも、帰宅してからも台風のニュースを読んでいた。
その凄まじさで思い出すことがあった。
ステレオサウンド 178号の発売日は2011年3月11日だったことだ。
染谷一氏が編集長になって最初のステレオサウンドが、178号である。
今号も、末尾の数字は8である。
偶然なのだろう。
それでも怖い偶然である。