大口径フルレンジユニットの音(その11)
Beyma、SICAからも、
30cm口径のダブルコーンフルレンジユニットは、いまも発売されている。
Beymaはスペイン、SICAはイタリアのメーカーである。
両社から出ていたのは以前から知っていた。
けれど特に関心はなかった。
AXIOM 402を聴く以前だったからだ。
いまは積極的に聴いてみたい、と思っているし、
ヨーロッパのスピーカーユニットのメーカーのラインナップに、
大口径のダブルコーンのフルレンジユニットがいまも残っている理由も掴めた、と思っている。
Beyma、SICAのダブルコーンのフルレンジユニットは、そう高いモノではない。
普及クラスのスピーカーユニットである。
数百万円もするハイエンドオーディオのスピーカーシステムに搭載されるユニットとは、
お世辞にもいえない。
そういう世界とは別のところで、家庭で音楽を聴くことを目的として、
いまも製造されているスピーカーユニットではないのか──、
私はAXIOM 402を聴いて、そう考えるようになった。
多くを求める人には向かない。
多くの情報量を求める人には向かない。
けれど”Less is more”という。
そういう聴き方があることを、AXIOM 402の音は提示している。