大口径フルレンジユニットの音(その10)
アンプがなんであれ、シングルボイスコイルのフルレンジユニットのよさ、
ここではロクハン(16cm)以上の口径のフルレンジとしておくが、
中低域の魅力にあると感じている。
あくまでも優れたフルレンジということに限るのだが、
この中低域の良さ、魅力は、口径が16cmから20cm、20cmから30cmと、
口径が大きくなるとともに、豊かになってくるように、
今回AXIOM 402を聴いていて感じていた。
そこに(その5)で書いた量感の豊かさを感じるし、
そこにこそ大口径フルレンジの音の美がある、ともいえる。
量感と書いてしまうと、誤解されてしまうようなところがある。
クラシック音楽を長く聴いてきた聴き手と、
そうでない聴き手とでは、この量感に対するイメージは、そうとうに違っているように感じる。
量より質。
そんなことがいわれる。
オーディオの世界では、昔から音量で音質をごまかしている、
そんなこともいわれている。
そんなことが関係してなのか、量感という言葉に対して、
いい印象を抱いていない人が少なからずいる。
けれど量感も音を表現する言葉であり、
音の美に関係してくる音の要素である。
なのに、いつのころからか忘れられつつある。
特に、今回のように中低域の豊かな量感ともいおうものなら、
私が、そこでイメージしている音と、まるで真逆の音をイメージする人がいるのは、
昔から知っているし、いまもけっこういるようだ。
そういう人が、AXIOM 402の音を聴いたら、ひどい評価を下すだろう。
そこまででなくとも、ゆるい音とか、いうかもしれない。