オーディオと青の関係(名曲喫茶・その2)
少女とある。
でも、いまの若い人が思い浮べる少女と、
五味先生の文章に登場してくる少女とは、ずいぶんちがってきたように思う。
私が思い浮べる少女と、ここでの少女とが、どれだけ近いのか違うのか。
誰にもわからない。
ただ、いまの若い人が思い浮べる少女よりは、ずっと近いように勝手に思っているだけだ。
髪の美しい少女とある。
髪の長さについては書かれてない。
だから勝手に、これも想像する。
きっと長いんだろうなぁ、と。
といってもとても長いわけではなく、肩に少しかかるくらいか、
肩が少し隠れるくらいか、そのくらいの長さの髪の美しい少女をおもう。
《紺のスカートで去って行くうしろ姿》もおもう。
そうやっておもうところで、
結局は、これまで出逢ってきた少女を思い出しているだけなことに気づく。
私だけだろうか。
それも私自身が少年だったころ、想いを寄せていた少女の姿なのだ。
だからよけいにうらやましくおもう。
いまある名曲喫茶は、昭和とともに歳をとっていったように感じる。
若い人が、そこで働いていたとしても、そんなふうには感じられない。
それでも、ひとつだけ近いことが私にもあった。