オーディオの楽しみ方(その2)
別項「資本主義という背景(その6)」で、デコレートされた(よく)、と書いた。
デコレートされた、ということは、誰かがデコレートしたわけだ。
己の(よく)だから、自分でデコレートした、と言い切れるのか。
誰かにデコレートされてしまった(よく)なのかもしれない。
自分ではない誰かにデコレートされた、ということをわかっているのであれば、まだいいが、
それすら意識していない可能性だってある。
特定の誰か、かもしれないし、不特定の誰か、かもしれない。
デコレートされた(よく)があれば、
デザインされた(よく)もある──、と考えてみる。
ここでデコレートとデザインの違いが、ひとつはっきりしてくる気がする。
デコレートは他者であることが多いように思えるが、
デザインとなると、己の(よく)を誰かが……、ということがありうるだろうか。
特定の誰か、不特定の誰かが、己の(よく)をデザインすることは、ないはずだ。
このことが「音で遊ぶ」と「音と遊ぶ」の違いに絡んでくる。