Date: 9月 27th, 2017
Cate: 107, KEF
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KEFがやって来た(その16)

KEFのModel 107のことを知れば知るほど、
レイモンド・クックに訊ねたいことがあり、それは強くなってくる。

Model 107は1986年、
その二年後にヤマハからAST方式のシステムが登場した。
バスレフ型の動作を、より理論通りに動作させるために、
ウーファーユニットのボイスコイルがもつ直流抵抗を、
アンプの出力インピータンスをマイナスにして打ち消すというものだ。

小型スピーカーとアンプからなるAST1のシステムは、
高級なシステムというわけではなかった。
けれど、AST方式(他社の登録商標だったためYST方式と改称)の実力はすごかった。

能書き通りのすごさが、その音にはあった。

このAST方式を、レイモンド・クックは知っていたのか、
知っていたとすれば、どう思っていたのか、をぜひとも訊きたいところだが、
クックは1995年に亡くなっている。

ヤマハが採用した負性インピーダンス駆動は、そのままModel 107にも採用できる技術である。
ウーファーセクションには、専用アンプを搭載して、負性インピーダンス駆動をする。
中高域は、別のアンプで鳴らすというバイアンプ方式こそが、
Model 107の行き着く姿のように思えてならない。

レイモンド・クックがいたころのKEFのスピーカーシステムにも、
アンプを内蔵(付属)しているシステムはあった。

LS5/1Aがそうであり、その後継機ともいえるModel 5/1ACがあり、
KM1というスタジオモニターは、3ウェイマルチアンプ駆動である。

Professionalシリーズではアンプ搭載はあっても、
コンシューマー用のReferenceシリーズには、アンプはつけない方針だったような気もする。

それでもAST方式について、クックに訊ねたい気持は変らない。

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