オーディオ機器を選ぶということ(再会という選択・その5)
憧れのオーディオ機器なんてない、という人もいるのかもしれないが、
オーディオマニアなら、憧れのオーディオ機器はあるはずだ。
憧れて憧れて、やっとのおもいで自分のモノに出来たこともあれば、
手が届かなかったことだってある。こちらのほうが多い。
価格が高いだけなら、購入計画をたてて、そこを目指していけばいいけれど、
あっという間に市場から消えてしまうモノに関しては、えっ? とあきらめるしかない。
JBLの4343、マークレビンソンのLNP2、EMTの930stといったモノに憧れてきた。
他にもいくつもあるが、こういったモノは人気もあって、そこそこの数が売れている。
なのでじっくり待てば、程度のいい状態のモノと出合えることはある。
けれどあっという間に消えてしまったモノとなると、そうはいかない。
手に入れたい、という気持もあるけれど、
それ以上にもういちど、その音を聴きたい、と思う意味での憧れのオーディオ機器がある。
いまもいくつかある。
その中の半分くらいは、市場からあっという間に消えてしまっている。
ふたたび出合えることは、誰かのリスニングルームであってもないだろうと、
なかば諦めている。
諦めているからこそ、まったく予期しない機会に出合えたときの私の気持は、
ほんとうに嬉しい。
その嬉しさは、ふたたび出合えたこと以上に、
このスピーカーの良さをわかっている人が、やっぱりいてくれた、という嬉しさの方が、
ずっとずっと大きい。
心の中で「同志がいた」と叫びたくなるほどに、嬉しいものだ。
二日前(9月14日)が、まさにそういう日だった。