ミソモクソモイッショにしたのは誰なのか、何なのか(製品か商品か・その2)
製品批評か商品批評か。
そんなことを考えていたら、少し違う意味での製品か商品か、があることに気づく。
ステレオサウンド始め、オーディオ雑誌は、
オーディオ機器をメーカー、輸入元から借りて試聴し記事をつくる。
記事で取り上げるオーディオ機器をすべて購入して──、
ということは現実には無理である。
オーディオ雑誌には広告が載っている、
そんな雑誌に書かれていることは信用できない、
広告なしでつくるべきだ──、
そんな意見がいまも昔もある。
わからないわけではないが、広告なしでオーディオ雑誌をつくろうとした場合、
何が問題になるかというと、雑誌の価格が高くなるということよりも、
取材対象となるオーディオ機器を、どう調達してくるかが、非常に難しい問題となる。
まったく方法がないとはいわないが、そうとうに大変になる。
オーディオ機器は、メーカー、輸入元から借りている。
このことも、製品か商品かに関係しているように思う。
ステレオサウンドにいるときは、そんなこと考えもしなかったが、
メーカー、輸入元から借りているオーディオ機器は商品なのだろうか。
オーディオ雑誌が、オーディオ店からオーディオ機器を購入したとする。
それを試聴して記事にするのであれば、商品批評ということになっても、
メーカー、輸入元から借りたモノを聴いて──、というのは、
商品批評ではなくて製品批評ではないのか。