598というスピーカーの存在(長岡鉄男氏とpost-truth・その7)
本人が、自分は常識人だ、といっているから、そのまま鵜呑みにしているわけではない。
知人に「自己破滅型なんですよ、自分は……」といっていた男がいる。
少し誇らしげに、知人は、そう言っていた。
彼をあまり知らない人は、自己破滅型かも……、と思っていたようだが、
知人をよく知っている人(私も含めて)は、そうは思っていなかった。
誰と話していたのかは書かないが、
その人との会話で、知人のことが出てきた。
その人も私も、知人のことを「自己破滅型に憧れている安定志向型」ということで一致した。
知人の自己破滅型は、いわば演出といえよう。
周りからそう思われたいという願望からの演出だったのかもしれないし、
それは、かなりうまくいっていた、ともいえる。
でも、わかっている人には、そうでないことはバレていた。
私の見当違いの可能性を完全には否定できないが、
少なくとも私と同じに知人のことを見ていた人は、
私よりもずっと先輩で、見識をもつ人である。
そういう知人の例を知っているだけに、
本人が常識人とか自己破滅型といっていたとしても、そのまま信じるわけではないが、
常識人という長岡鉄男氏は、知人の例とは違う、と感じている。
長岡鉄男氏は、確かに常識人であり、
常識人であるからこそ、あれだけ多くのファン(読み手)がいたのだと思うのだ。