オーディオ入門・考(その13)
マッキントッシュ(パソコンの方)を使いはじめて一年くらい、
プログラミングに挑戦しようと思った。
まだ漢字Talk7がOSだった時代である。
プログラミングに必要なアプリケーションを買った。
書店に行き、プログラミングを勉強するための本も買った。
意気込みだけはあったけれど、すぐに挫折した。
それから数年後、また挑戦しようとした。
またアプリケーションを買った、そのための本も買った。
この時も挫折した。
それからはプログラミングの本も手にすることはなくなった。
最近のプログラミングの本が、どういう内容なのかは知らない。
20年ほど前のプログラミングの本は、
まずウィンドウに”Hello”の文字を表示させるためのプログラムを書くことから始まっていた。
いまはどうなんだろうか。
これは簡単にできる。
できるとはいえ、アプリケーションの構造が、わかるようになったわけではない。
私が、そのころのプログラミングの本に共通して感じていた不満は、ここにある。
私だったら、こういう構成の本はつくらないのに……、と思っていた。
私だったら、まずアプリケーションの大まかな構造をわかりやすく説明することから入る。
実際のワープロのアプリケーション、グラフィックのアプリケーションがどうなっているのか。
つまり、まず全体像を把握したうえで、それを分解しながら、
全体を構成する個々のパーツ(ディテール)を理解する──、
というやり方もあっていいのではないだろうか。
人にはやり方の向き不向きはある。
プログラミングを仕事としている人にとっては、
従来通りの本のつくり方が合っているのかもしれない。
けれど、いわゆる日曜プログラマーぐらいを目指している者にとっては、
そうではないやり方の方が合っている場合だってあろう。