チャイコフスキー ピアノ協奏曲(アルゲリッチ/コンドラシン)
チャイコフスキーのピアノ協奏曲は、よく知られている曲だが、俗曲である──、
そんなイメージを中学生のころから持っていた。
だからというわけではないが、チャイコフスキーのディスクはあまり持っていない。
そんな私でも、アルゲリッチがコンドラシンと協演したディスクは、
発売後まもなくして買った。
ライヴ録音ということもあって、話題になっていた。
火を噴く演奏だ、という評判だった。
当時はまだCDは登場していなかったから、LPだった。
白いジャケットだったはずだ。
実は、これが最初に買ったチャイコフスキーのレコードだった。
それから30数年経っても、チャイコフスキーのディスクは、あまり増えてない。
このLPもずっと以前、手離してしまっている。
それから聴くことはなかった。
なのに、急に聴きたい、と思うようになった。
きっかけは特に思いあたらないのだが、
アルゲリッチとコンドラシンのチャイコフスキーが聴きたい、と強く思うようになっていった。
廉価盤のCDで出ている。
LPではチャイコフスキーだけだったが、
CDではシャイーとのラフマニノフの三番もカップリングされている。
チャイコフスキーのピアノ協奏曲は、多くの録音がある。
有名な曲だけに、そして売れる曲だけに名演も少なくないのだろう。
グレン・グールドも、チャイコフスキーを録音する予定があった。
CBSソニーの小冊子に、そのいきさつが書いてあった。
流れてしまった企画だが、もしグールドが録音していたら、
そうとう売れたことだろう。グールドのレコードで一番の売行きになったかもしれない。
アルゲリッチとコンドラシンの演奏は、もう二十年以上聴いていない。
ひさしぶりに聴いて、当時の印象が、ほぼそのままよみがえってきた。
この演奏に厳しい評価を下す人もいるようだが、
私には、チャイコフスキーのピアノ協奏曲はこ演奏だけでいい。
あれこれ聴き比べをしたいとは思わない。
次回のaudio wednesdayでは、このディスクをかけようか。