Date: 3月 30th, 2017
Cate: 「本」, ジャーナリズム
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オーディオの「本」(考える人・その10)

(その10)を書こうと思いながらも、
他のことを書くことを優先していたら、(その9)から一年半以上経っていた。

この一年半のあいだに、大きく変ったことがある。
「考える人」の休刊が、今年2月15日に発表になった。
4月4日発売の2017年春号で休刊となる。

「考える人」のメールマガジンを読んでいる。
そこに、こうある。
     *
 先日、ばったり顔を合わせた同年代の編集仲間に冷やかされました。「考える人」みたいな雑誌を作ってしまうと、病みつきにならないか? 一度この味を覚えたら、忘れなくなるだろう、というのです。たしかに、そういう面は否定できません。1世紀以上の歴史と伝統を持つ出版社の基盤の上で、高いスキルを持った編集スタッフの力を借りながら、だ一戦の人たちの寄稿を仰ぎ、また創刊以来、単独スポンサーとして支援して下さった株式会社ファーストリテイリングの伴走を得て、思う存分に作ってきた雑誌です。手前みそになりますが、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の日本チームを率いて戦うような醍醐味を満喫できたのは、編集者として大変に恵まれたことだったと思います。この後の「考える人」ロスが心配です。
     *
《病みつきにならないか? 一度この味を覚えたら、忘れなくなるだろう》、
ここだけ抜き出せば、なにか麻薬のことをいっているようにも聞こえる。

「考える人」という雑誌は、そのくらい編集者にとっては、
雑誌の編集者にとっては、これ以上は求められないくらいの環境である。

株式会社ファーストリテイリングの単独スポンサーということのウェイトは、大きい。
大きすぎた、ようにも、いまは思う。

創刊15年で、「考える人」は休刊となる。

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