オーディオにおけるジャーナリズム(技術用語の乱れ・その1)
別項で触れた技術用語の乱れ。
他にも例がある。
パワーアンプの動作を表す用語に、A級、B級がある。
AB級もある。
AB級とは小出力時はA級動作を、
それ以上の出力ではB級動作に移行する。
どの程度の出力までA級動作をさせるかは、メーカーによっても、製品によっても違う。
だいたいは数Wから10W程度までA級で、これ以上の出力ではB級である。
けれど最近のオーディオ雑誌では、こんな表記があった。
小出力ではA級動作、それ以上ではAB級に移行する、と。
こんな間違いを平気で活字にしている例を見たことがある。
それも一度ではない。
これもおそらくメーカーからの資料にそう書いてあるからなのだろう。
いまではオーディオ雑誌の編集者でも、
A級、B級、AB級の違いがわかっていないようだ。
他にも技術用語の乱れの例は挙げられるが、
オーディオ雑誌の編集者が気づくべきことだから、このへんにしておく。
オーディオ雑誌も、いまや程度の低いキュレーションサイトと同じになっている。