会って話すと云うこと(その10)
人はいつか死ぬ。
死を避けることのできる人なぞいない。
そんなことみなわかっている。
にも関わらず、死ぬということをわすれてしまいがちでもある。
いつでも会える。
そう思っていないだろうか。
たしかにお互いが生きていれば、いつでも会える。
でも人は死ぬのだ。
いつか死ぬ。
こんなことを書いている私だって、いつ死ぬのかはわからない。
20年後かもしれない。もっと後かもしれない。
でも、もしかしたら明日、事故にあって……、ということだって、
可能性としてはあるわけだ。
会って話すことは、互いが生きているからだ。
相手が生きていて、私が生きていてこそ、会って話せる。
このことを忘れないでほしい。
憶えていても、つい先延ばしにすることがある。
そこでの後悔は、どうしようもない。
「岩崎千明氏のこと(その5)」に書いた。
年明けにでも、と思っていたから、急ぐ気持はなかった。
人はある日突然いなくなる。
会えなくなる。