GASとSUMO、GODZiLLAとTHE POWER(その10)
広告は、時として記事よりも、知りたい情報を与えてくれる。
ステレオサウンド 53号のバブコの広告。
ここにはスレッショルド、シンメトリー、GAS、SUMOといったブランドが紹介されている。
それぞれのブランドのロゴの下には、エンジニアの名前が表記してある。
スレッショルドはNelson Pass、
シンメトリーはDesigned by John Curl、
SUMOはDesigned by James Bongiorno、
GASはDesigned by Andrew Hefleyとなっている。
GASのところにある写真は、
コントロールアンプのThaedra IIとGODZiLLAである。
これではっきりした。
GODZiLLAの設計はボンジョルノではないことが。
ただThaedraはボンジョルノの設計だから、
Thaedra IIの基本設計はボンジョルノで、Andrew HefleyによってII型になったということのはずだ。
つまりGASのアンプでThaedra II(1978年)以降、
Thaedra IIB、GAS500 Ampzillaも含めて、ボンジョルノからAndrew Hefleyの設計に変っている。
GODZiLLAはSUMOのパワーアンプの仕様に近い。
AB級とA級、ふたつのラインナップを持ち、出力も近い。
けれどコンストラクションは大きく違う。
GODZiLLAの音を聴く機会はなかったため、
これまで断言できなかったけれど、ボンジョルノの手を離れたモノとは判断できていた。
ただ想うのは、ボンジョルノ自身は、
GASで、GODZiLLAという型番で、SUMOのTHE POWERとTHE GOLDを出したかったのではないだろうか。
AMPZiLLAの登場のころから、上級機としてGODZiLLAが出る、というウワサはあった。
たしかに出るには出た……。
けれどボンジョルノの手による「GODZiLLA」は、
GASのGODZiLLAではなく、SUMOのTHE POWERとTHE GOLDといえる。