近頃思うこと(続・五味康祐氏のこと)
自分の一生の終わりを初めと結びつけることのできる人は最も幸福である。
(ゲーテ格言集より)
これだけだから、ゲーテのいうところの一生の初めが、どこなのか定かではないが、
五味先生の
《人間の行為は──その死にざまは、当人一代をどう生きたかではなく、父母、さらには祖父母あたりにさかのぼってはじめて、理由の明らめられるものではあるまいか。それが歴史というものではないか、そんなふうに近頃思えてならない》
と、ゲーテも同じに捉えていたようにも思えてくる。
そうおもえてくるだけなのだが……