muscle audio Boot Camp(その5)
ステレオサウンド 47号の「続・五味オーディオ巡礼」。
最後まで読めば、4ウェイのバイアンプ(マルチアンプ)による音を認められている。
ほぼ絶賛といってもいい書き方だ。
《仮りに私が指揮を勉強する人間なら、何を措いてもこの再生装置を入手する必要がある、と本気で考えていたことを告白する。》
とまで書かれている。
さらに《エレクトロニクスが技術で到達した現代最高のそれは音だと痛感したことを》
とも書かれている。
しかも、この4ウェイ・システムはJBLのそれだ。
アンプもすべてトランジスターである。
「続・五味オーディオ巡礼」を何度もくり返し読んだのは、
ここのところにもある。
やはり究極的にはマルチウェイ、マルチアンプ・システムなのか……、とも思ったし、
ハーモニーの拡がりにおいても、そうであろう、と。
でも五味先生は最後の最後に書かれている。
《4350が指揮者の位置なら、拙宅のはコンサートホールの最も音のいい席で聴いている感じがする。細部の鮮明さは到底4350にかなわないが、演奏会場の空間にひろがるハーモニイの美は、あやまたず我が家のエンクロージァは響かせている。》
《演奏会場の空間にひろがるハーモニイの美》、
これはオーケストラと指揮者がいるステージ上に拡がるハーモニーと同じとは限らない。