世代とオーディオ(飢餓感)
私は13の時からオーディオに興味をもった。
もっと早くから、という人もいるだろうし、少し遅くからという人もいるけれど、
多くのオーディオマニアは10代のころにオーディオに関心・興味を持ち始めた、と思う。
私が10代だったころ、オーディオ雑誌はいまよりも多く出版されていた。
けれどインターネットはなかった。
しかも住んでいたのは、東京ではなく熊本の田舎町である。
そういう環境だったから、東京に出てくるまでは、
オーディオに関しては飢餓感といえるものがあった。
飢餓感があったからこそ、何度もくり返し読んできた。
モノクロの小さな写真もくいいるように見てきた。
いまはインターネットのおかげで、オーディオに関する情報の量は、
私が10代だったころとは比較にならないほど増えている。
写真ひとつにしても、カラーが標準といえる。
粒子の粗いモノクロ写真が大半だったから、
いまのような状況は、写真ひとつにしても情報量が増えている、といえる。
その意味では、いまの10代は飢餓感を感じることはあまりないのかもしれない。
むしろ満腹感があるのではないのか。
そんなことを考えもする。