Date: 6月 2nd, 2015
Cate: ヘッドフォン
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ヘッドフォン考(終のリスニングルームなのだろうか・その2)

これまでに全身麻酔の経験は三回ある。
一回目は幼すぎてまったく記憶にない。
二回目、三回目は通常ならば全身麻酔ではないのだが、
喘息持ちゆえに全身麻酔をかけて、ということだった。

麻酔から醒めはじめの感覚はできればもう味わいたくない。
私の場合、二回目、三回目とも麻酔から醒めるのが遅かったようだ。
昼の手術(骨折の治療)なのに、麻酔から醒めはじめたのは夜中の一時すぎくらいだった。

それから夜が明けるまで眠れない。
病室の天井を、ぼんやりした意識で眺めていた。

病室のベッドの上で最期を迎えるということは、
病室の天井をうすれゆく意識で見るということなのか。
そんなことも思っていた。

五味先生も瀬川先生も岩崎先生も、みな天井を眺めるしかなかった……。

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