Date: 9月 11th, 2014
Cate: 真空管アンプ
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真空管の美(その2)

真空管アンプを作る、Edのアンプを作る──、
そう決めていた私は、ステレオサウンドで働くようになってから、
無線と実験に発表された記事から回路図とEdの規格表、アンプの部品表、シャーシーの図面をコピーして、
それぞれを切り貼りしてレイアウトし、もう一度コピーをとったものを、
机の天板とガラス板のあいだに挿んでいた。

伊藤先生は、その後サウンドボーイにて、Edのシングルアンプを発表される。
無線と実験の記事はモノクロだった。
サウンドボーイの記事はカラーだった。

Edの美しさに、ますます惚れ込んでいた。

ただ気になることもいわれていた。
伊藤先生の一番弟子で、当時サウンドボーイの編集長だったOさんから、「Edは音がねぇ……」と。

Oさんの言葉を信じていなかったわけではないけれど、Oさんは300Bの人だった。
だから話半分できいていた。

Edのシングルアンプは、伊藤先生の仕事場で聴くことができた。
そこで伊藤先生の口から、Oさんとほぼ同じことを聞いた。
たしかにその通りだった。

そして伊藤先生の300Bシングルアンプの音を聴く。

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